同志社大学のシンポジウム「アートの力」を聴講した。
パネラーは 姜尚中(日曜美術館の司会の人)、平田オリザ、佐野元春(!)、岡部あおみ(武蔵野美術大学教授)
おお、なんだかすごいラインナップではないか。
ほぼ満席状態(無料だしね)
今回の話の対象は主に「前衛芸術」の方で、ボクの印象に残った内容はおおまかにふたつ
姜尚中が冒頭で発言した「絶望からアートが始まる」
佐野元春の発言「いいソングライティングにはユーモアが必要」
アートは、人の心の闇(もしくは隠れて気づいていない部分)をさらけだすことから始まったことを、例示しながら説明。
ユーモアの方は、もちろん歌作りだけではなく、なんにおいても必要なことだろう。
平田オリザのロボット演劇の話も面白い。
ロボットを出演者にした演劇(平田氏は阪大で講義をもっており、阪大はロボット工学の最先端研究機関である)を作ったときの話で、ロボットに人間らしい(感情がこもった)動きを実現するのに、研究者は膨大なヒトのデータを集めて、それを解析し分析することからアプローチを試みる。
ところが演出家は、一瞬でそれが「わかる」と言うんですね。それが「間(ま)」であって、動きの中でコンマ何秒の間を作るだけで、生き生きとしてくることを経験上わかっていると。だからそのようにプログラミングすれば、ロボットでも我々に感動を与える演技ができるということだ。
岡部あおみのキュレータとしての仕事内容や、日本と欧米(特にフランス)のアート教育の違いも興味深い。
日本はワークショップスタイルの教育が多い(デッサンや写生をさせたり工作で何かを作る)、逆に欧米はほとんどが「鑑賞」に対する教育である。ものを作らせることはほぼ皆無だそうだ。特に新しいアートはそれを見る目が大切で、教育を行うことで身に付けることができる。そのために欧米では前衛的な作品でも面白がられて人気があるが、日本ではほとんど見向きもされない。その代わり有名な画家の展覧会には人が殺到する、という現象が起きる。日本の前衛作家達が、国内よりも海外で認められ、それが逆輸入される現象が起きるのもこのことからだろう。
3時間の長丁場だが、なんだかあっという間に時間が経った。
そのあと、大急ぎで長岡京文化会館へ向かう。
下の娘がこの春から大学へ進学して、オーケストラに入部した。そのオケの定期演奏会である。
音楽系の学校ではなく、ほとんどが理工系の学生なのだが、ちゃんとしたオーケストラの演奏になっている。そこにまずは感動した。バイオリンは初心者も多いらしいのだが、ちゃんと練習すればこんな音が出せるようになるのだね。
吹奏楽団と違って、娘のクラリネットパートは演奏する人数が2人程度なのだ。(吹奏楽団のクラリネットはオケのバイオリンに相当するので人数が多く必要)なので、出番はまだまだ先のようだ。
チャイコフスキーの「悲愴」いい曲だなあ。
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