面白い!今かなり話題になっている本である。
図書館で借りて通勤時に読んだのだが、思わず吹き出しそうになるところもあちらこちらに。
著者は詩人ということで、言葉に対する感性が元々鋭どいのだろうが、これまで人生でであった、いろいろな言葉(主に会話)の中で、何かしら著者の心をつかんでしまったもの。
その言葉がでてきた時の気持ちや背景などについて解説するのだが、この解説がまた面白い。
言葉が外に出る時に、裏にひそむ本音や背景がにじみ出てしまうのだろう。
そこらへんの微妙なニュアンスを感じてすくい上げられるのが、その人の感性だろうか。
普通だったら、なんとも思わず見過ごしてしまうもの。
もちろん説明の書き方自体の面白さもあるわけで、読み進むにつれてこの説明の仕方って何かに似ているなあと考えたら、
そうだ、これは赤瀬川原平の路上観察と同じだと思い当たった。
街の中に図らずも残された無意味なものたちにスポットを当て、なぜその形で残ったのかを考える。
それと共通の感性をを感じた。
Pages
Wednesday, August 25, 2010
Tuesday, August 24, 2010
宮部みゆき『小暮写眞館』
読後の最初の言葉は「長かった」である。
宮部ファンにはしかられそうだが、それが正直な気持ち。
約700ページに及ぶ書き下ろし作品、ノンミステリージャンルの現代小説である。
長男英一は高校生、4人家族の花菱家は、小暮写眞館を店ごと買い取ってそこへ引っ越してくる。
当時のスタジオがそのまま残されていて、記念写真を撮影するときの背景シートや外へ向かった写真の掲載ウィンドウ、そして店を引き継ぐわけではないのに、面白いから、と「小暮写眞館」の看板もそのまま掲げてしまう。
写真館再開と勘違いしてやってきた女子高生は、昔この写真館で現像した写真に、心霊写真が写っている、とクレームをつける。応対した英一は、仲間とともに写真の謎を探り出す。
冒頭はミステリーっぽいところもあるのだが、心霊写真としてそこに残された人の思いや周囲の人々の関係性など、が次第に解き明かされていく過程が面白いのだ。
心霊写真だけじゃなくて、花菱家にも過去に大きな事件があって、その時の思いをそれぞれの心に隠し持っている。
そのことも、周囲との関わっていく中で明らかにされていく。
過去の宮部作品同様に、人物造形はとてもよくて、とくに英一の同級生の女子こげぱん、写真館を仲介した不動産屋の事務員で攻撃的な目を持つ垣本順子、など特に魅力的なキャラクタが登場する。
ボクは特にこげぱん好きだなあ(後半活躍が少なくなるが)
でもやっぱりちょっと長いのだ。通勤で毎日持ち歩くのもつらかった。
全体通して、宮部みゆきはもっとすごいことを知っているので、次に読まれることを待っている『あんじゅう』への期待が高まるのだ。
宮部ファンにはしかられそうだが、それが正直な気持ち。
約700ページに及ぶ書き下ろし作品、ノンミステリージャンルの現代小説である。
長男英一は高校生、4人家族の花菱家は、小暮写眞館を店ごと買い取ってそこへ引っ越してくる。
当時のスタジオがそのまま残されていて、記念写真を撮影するときの背景シートや外へ向かった写真の掲載ウィンドウ、そして店を引き継ぐわけではないのに、面白いから、と「小暮写眞館」の看板もそのまま掲げてしまう。
写真館再開と勘違いしてやってきた女子高生は、昔この写真館で現像した写真に、心霊写真が写っている、とクレームをつける。応対した英一は、仲間とともに写真の謎を探り出す。
冒頭はミステリーっぽいところもあるのだが、心霊写真としてそこに残された人の思いや周囲の人々の関係性など、が次第に解き明かされていく過程が面白いのだ。
心霊写真だけじゃなくて、花菱家にも過去に大きな事件があって、その時の思いをそれぞれの心に隠し持っている。
そのことも、周囲との関わっていく中で明らかにされていく。
過去の宮部作品同様に、人物造形はとてもよくて、とくに英一の同級生の女子こげぱん、写真館を仲介した不動産屋の事務員で攻撃的な目を持つ垣本順子、など特に魅力的なキャラクタが登場する。
ボクは特にこげぱん好きだなあ(後半活躍が少なくなるが)
でもやっぱりちょっと長いのだ。通勤で毎日持ち歩くのもつらかった。
全体通して、宮部みゆきはもっとすごいことを知っているので、次に読まれることを待っている『あんじゅう』への期待が高まるのだ。
Saturday, August 21, 2010
日本のロック80年代篇
レコード・コレクターズ先月号に続いて、今月号(2010.09号)は「日本のロック・アルバム・ベスト100 80年代篇」特集である。
1位は予想通り(というか雑誌の表紙がモロ)大滝詠一『ロング・バケイション』である。
意義なし
同感
当然
しかし
あまりにもこのアルバムが素晴らしすぎて、なおかつ一般受けも良すぎたものだから、
大滝詠一=ロンバケ
のイメージが定着したのが悲劇でもあった。
確かに、このアルバムは集大成的一枚ではあるが、師匠はそんなものではない。
底知れない奥深さがあることを、皆が気づかなくなってしまった。
これが売れていなければ、もっと地下組織で師匠は活躍していたのに、ファンとしてはそんな妄想をしてしまうのだ。
前号の60・70年代と違って80年代になると、「はっぴいえんどとその一派」以外の新しい人たちもでてきて多様性を見せ始める。
ボクも聞いたことがないアルバムがかなりの枚数ある
もう一度、ざあ〜っと100枚をみてみると
あれ?
シネマが入ってないじゃん。
すごく良かったんだけどな、ある時期のボクのヘビーローテーションだった。
コンサートも行ったなあ(としばし懐かしむ)
1位は予想通り(というか雑誌の表紙がモロ)大滝詠一『ロング・バケイション』である。
意義なし
同感
当然
しかし
あまりにもこのアルバムが素晴らしすぎて、なおかつ一般受けも良すぎたものだから、
大滝詠一=ロンバケ
のイメージが定着したのが悲劇でもあった。
確かに、このアルバムは集大成的一枚ではあるが、師匠はそんなものではない。
底知れない奥深さがあることを、皆が気づかなくなってしまった。
これが売れていなければ、もっと地下組織で師匠は活躍していたのに、ファンとしてはそんな妄想をしてしまうのだ。
前号の60・70年代と違って80年代になると、「はっぴいえんどとその一派」以外の新しい人たちもでてきて多様性を見せ始める。
ボクも聞いたことがないアルバムがかなりの枚数ある
もう一度、ざあ〜っと100枚をみてみると
あれ?
シネマが入ってないじゃん。
すごく良かったんだけどな、ある時期のボクのヘビーローテーションだった。
コンサートも行ったなあ(としばし懐かしむ)
Friday, August 13, 2010
納涼古本市
下鴨神社糺ノ森で行われている「納涼古本市」へ行ってきた。
昼間でも薄暗く感じるほど、うっそうとした樹に覆われた糺ノ森。
森見登美彦の『有頂天家族』に登場する狸家族の住み処である糺ノ森。
その奇想天外な設定が、あながち作り事ではないような気持ちになる、なんとも不思議で霊的な場所。
その森の中に広がる膨大な古本たち。
近隣の本好き、特に古本好きな老若男女がここへ集う。
かなり高齢と見受けるじいさまも、「カラの」ころころケースを持ってやって来ている。
買う気満々である。
恐るべし「知識欲」
買い慣れていないボクは、スタート時点から一軒ずつ詳細にチェックしたものだから、30分たってもほとんど進んでいない。
これでは体力が終点まで持ちそうにない。
そのうち要領もわかってくる。
店によって品揃えの特徴があるので、興味の薄いジャンルの店は早送りで飛ばしつつ、約2時間半かけてようやく終点まで。
ここで遅い昼をいただく。
冷しカレーうどん。
冷たくって、だけどちょっと辛くておいしい。
みるみる体力を回復。
再度折り返して、早送りしてきた店の数店をもう少し詳しくチェック。
結局4時間滞在したが、とても全て見るのは無理。
疲れた。
市バスに乗って、下鴨神社から四条河原町へ戻る。
そこで性懲りもなく、また本屋へ(ブック1st)
ついでにタワーレコードもチェックして、市バスで京都駅へ。
さらにしつこく三省堂京都駅店をひととおりみてわまり、ようやく帰宅へ。
昼間でも薄暗く感じるほど、うっそうとした樹に覆われた糺ノ森。
森見登美彦の『有頂天家族』に登場する狸家族の住み処である糺ノ森。
その奇想天外な設定が、あながち作り事ではないような気持ちになる、なんとも不思議で霊的な場所。
その森の中に広がる膨大な古本たち。
近隣の本好き、特に古本好きな老若男女がここへ集う。
かなり高齢と見受けるじいさまも、「カラの」ころころケースを持ってやって来ている。
買う気満々である。
恐るべし「知識欲」
買い慣れていないボクは、スタート時点から一軒ずつ詳細にチェックしたものだから、30分たってもほとんど進んでいない。
これでは体力が終点まで持ちそうにない。
そのうち要領もわかってくる。
店によって品揃えの特徴があるので、興味の薄いジャンルの店は早送りで飛ばしつつ、約2時間半かけてようやく終点まで。
ここで遅い昼をいただく。
冷しカレーうどん。
冷たくって、だけどちょっと辛くておいしい。
みるみる体力を回復。
再度折り返して、早送りしてきた店の数店をもう少し詳しくチェック。
結局4時間滞在したが、とても全て見るのは無理。
疲れた。
市バスに乗って、下鴨神社から四条河原町へ戻る。
そこで性懲りもなく、また本屋へ(ブック1st)
ついでにタワーレコードもチェックして、市バスで京都駅へ。
さらにしつこく三省堂京都駅店をひととおりみてわまり、ようやく帰宅へ。
Thursday, August 05, 2010
夏休みも残り少なし
今週はうちの会社が夏休みなのである。
今日は、朝から京都市美術館へ「ボストン美術館展」鑑賞へ。
いつもと違う行き方で出かけたら、降りる駅を間違えてしまって、すこし遠回り。
朝とは言え日差しは強く、気分的に萎えた。
しかし、開館と同時に入館したので、平日ということもあってかなり空いている。以前フェルメール見に行った時は大混雑で疲れたが、今回はらくちん。意外と展示されている絵は少ない感じ。だけど、途中休憩もいれたら1.5時間ぐらいは滞在してたな。
これで元とったな(東海林さだお風に)
そのあとで、近くの京都会館で行われている「吹奏楽コンクール」を見に行く。
吹奏楽をやっていた下の娘も3月に高校を卒業したので、OBの家族という立場で卒業した高校の応援ということ。
吹奏楽コンクールは課題曲(4曲からチョイス)と自由曲を演奏する。
娘の高校は伝統的に自由曲に難解なものをもってくる。難度の高い曲をこなして、そこをアピールする作戦。
かなりリスキーな作戦でもある。
聞いてみると、案の定、難解。
だけど、ボクは好きだなあ、とても素敵!
がんばれ娘の後輩達!
審査員の先生方、ヨロシクオネガイシマス
今日は、朝から京都市美術館へ「ボストン美術館展」鑑賞へ。
いつもと違う行き方で出かけたら、降りる駅を間違えてしまって、すこし遠回り。
朝とは言え日差しは強く、気分的に萎えた。
しかし、開館と同時に入館したので、平日ということもあってかなり空いている。以前フェルメール見に行った時は大混雑で疲れたが、今回はらくちん。意外と展示されている絵は少ない感じ。だけど、途中休憩もいれたら1.5時間ぐらいは滞在してたな。
これで元とったな(東海林さだお風に)
そのあとで、近くの京都会館で行われている「吹奏楽コンクール」を見に行く。
吹奏楽をやっていた下の娘も3月に高校を卒業したので、OBの家族という立場で卒業した高校の応援ということ。
吹奏楽コンクールは課題曲(4曲からチョイス)と自由曲を演奏する。
娘の高校は伝統的に自由曲に難解なものをもってくる。難度の高い曲をこなして、そこをアピールする作戦。
かなりリスキーな作戦でもある。
聞いてみると、案の定、難解。
だけど、ボクは好きだなあ、とても素敵!
がんばれ娘の後輩達!
審査員の先生方、ヨロシクオネガイシマス
Tuesday, August 03, 2010
禁断の技
ツイッターで上げたが、うちのメインマシンmac mini のDVDドライブが、ディスクを吸い込まなくなってしまった。それまでは好調に動作していたのに。
もう保証期間は越えているので、修理にだせば実費をそのまま請求される。
ということで、カバーを開けてみることにした。
Appleの製品は開けにくいことで有名である。
iPodもバッテリー交換するのに、かなり苦労した。
ここで禁断の技である。
いまはネットで調べれば、解体の動画まであるのでやり方はすぐわかる。
mac miniは明けるのに工具が必要らしい。
近所のホームセンターでスクレイパー(¥380)を購入。
そしてすぐに作業。
カバーと本体のわずかな隙間にスクレーパーを差し込み、こじあげていく。
ポイントは、とにかく恐れずに「差し込み」思い切って「こじ上げる」 ことである。
あれ?
DVDドライブになにかが詰まっている。
引っ張り出してみるとそれは、DVD-Rの焼き付け面を保護するために敷いてあった薄いビニールシートであった。
ありゃあ、これってボクのせい?
ツイッターで「ちょっと酷使したら、パソコンがネをあげた」と書いてしまった。
すまぬ、パソコンがネを上げたのではなかった。
思わずぬれぎぬを着せたmacに謝罪。
無事DVDドライブは復活して、再び酷使することに。
Sunday, August 01, 2010
70年代の日本のロック
現在店頭に並んでいる「レコード・コレクターズ8月号」の余韻をまだ引きずっているのだが、このベスト100に上っているものは、かなり持っている(レコードやCD)。
しかし、当時興味を引かれなかったり、タイミングを失して聞き逃したのもかなりある。
その中で、特に興味をひいた
フード・ブレイン『晩餐』
をAmazonで購入。
いやはや、かっこいいね。
1970年発表かあ、日本のロックで当時こんなのやってたんだ。
メンバーを見たら確かにすごい人たちなのだけど、エネルギーが爆発しているだけではなく、新しいことをやろうっていう気概にあふれている。
あがた森魚『日本少年』共演者も含めて当時激しく興味をひかれたが、2枚組LPとかいろいろあって入手し損なっていた。
『頭脳警察セカンド』と合わせて、図書館に予約中。
先日、実家へ帰った時にも置いてあるアナログ盤を数枚聞いた。
はちみつぱい『センチメンタル通り』
サディスティック・ミカ・バンド『黒船』
ムーンライダーズ『MOONRIDERS』
今聞いてもどれも本当にいいね、熱くなるよ
昨日の「佐野元春 ザ・ソングライターズ」ゲストは鈴木慶一でした。
来週2回目の放映。
しかし、当時興味を引かれなかったり、タイミングを失して聞き逃したのもかなりある。
その中で、特に興味をひいた
フード・ブレイン『晩餐』
をAmazonで購入。
いやはや、かっこいいね。
1970年発表かあ、日本のロックで当時こんなのやってたんだ。
メンバーを見たら確かにすごい人たちなのだけど、エネルギーが爆発しているだけではなく、新しいことをやろうっていう気概にあふれている。
あがた森魚『日本少年』共演者も含めて当時激しく興味をひかれたが、2枚組LPとかいろいろあって入手し損なっていた。
『頭脳警察セカンド』と合わせて、図書館に予約中。
先日、実家へ帰った時にも置いてあるアナログ盤を数枚聞いた。
はちみつぱい『センチメンタル通り』
サディスティック・ミカ・バンド『黒船』
ムーンライダーズ『MOONRIDERS』
今聞いてもどれも本当にいいね、熱くなるよ
昨日の「佐野元春 ザ・ソングライターズ」ゲストは鈴木慶一でした。
来週2回目の放映。
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