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Wednesday, August 25, 2010

穂村弘 『絶叫委員会』

面白い!今かなり話題になっている本である。
図書館で借りて通勤時に読んだのだが、思わず吹き出しそうになるところもあちらこちらに。
著者は詩人ということで、言葉に対する感性が元々鋭どいのだろうが、これまで人生でであった、いろいろな言葉(主に会話)の中で、何かしら著者の心をつかんでしまったもの。
その言葉がでてきた時の気持ちや背景などについて解説するのだが、この解説がまた面白い。
言葉が外に出る時に、裏にひそむ本音や背景がにじみ出てしまうのだろう。
そこらへんの微妙なニュアンスを感じてすくい上げられるのが、その人の感性だろうか。
普通だったら、なんとも思わず見過ごしてしまうもの。

もちろん説明の書き方自体の面白さもあるわけで、読み進むにつれてこの説明の仕方って何かに似ているなあと考えたら、
そうだ、これは赤瀬川原平の路上観察と同じだと思い当たった。
街の中に図らずも残された無意味なものたちにスポットを当て、なぜその形で残ったのかを考える。
それと共通の感性をを感じた。

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