大台ケ原から高野山への連日踏破が、膝痛によりあえなく破綻。
膝はすっかり治ったのだが、前日に一乗寺辺りをかなり歩いたために、今度は腿に張りが残る。
まあしかし、これは筋肉痛の部類なので大丈夫だろう。
いざ、高野山へ。
実は高野山は、下の娘が高校の勉強合宿で毎夏缶詰にされる場所であった。
その時は、とくに感慨もなく「大変だな」ぐらいに思っていたのだが、TVドラマ「平清盛」などの影響もあって(すぐ影響を受けるタチ)、ちょっと高野山がかなりボクの中で優先順位を押し上げてきた。
うちを6:00に出発、新大阪で御堂筋線に乗り換え難波へ。
どこの乗り換えもタイトで、急ぎ足で次の電車へ走り込み、なんとか7:20の南海電車高野山行きに間に合う。
極楽橋(この名前もすごいね)でケーブルカーに乗り換え、高野山駅に着いたのが9:00過ぎであった。
家から約3時間、そんなに遠くはない。
そこからバスに乗って千手院橋で下車、そこから徒歩で大門へ向かう。
ところで、バスで駅から走ってきてわかった。
山全体が修行の場所ではなく、普通に町なのだった。
聞くところによると、4000人が住んでいるらしい(うち僧侶が1000人)
だから携帯も使えるし、食料品店もあるしお土産物屋や食堂が軒を並べる(さすがにコンビニは見かけなかった)
幼稚園や学校もあるようだ。かなり山歩き寄りの装備でやってきたのだが、おじさんおばさんはTシャツにサンダルのひともいる。なんという情報不足、今更ながら恥ずかしい。
平日なので、観光客もまばらである。
大門は、その名の通り大きく、両脇の金剛力士像もかなりの迫力である。
ここで、腹が減ったので、バス停近くで買ったできたてパンを食べる。
ここから壇上伽藍へ向かう。
この壇上伽藍には、興味深い建造物が集まっている。その中のひとつが根本大塔である。
こちらの写真はinstagramアプリで撮影して加工したので、ちょっと自然な色合いではないのだが、なんとも言えない造形である。
色も鮮やかな橙色でひときわ目を引く。
中を参拝することができる。
センターに大きなキンキラの如来像、そのまわりに四体の仏像が囲む。
柱には極彩色の菩薩像16体が描かれている。
それぞれに名前がついているのだが、笑が含まれている菩薩だけ目が笑っているのが面白い。肌の色も、肌色、褐色、青と3種類あるのだ。
大迫力で、思わずひれ伏す気持ちが湧いてくる。
ここでも参拝者はまばら。
団体さんともあわないので、ゆっくりと時間をかけて静かにみることができる。
さて、このあといよいよ、最大の聖域である奥之院へと向かう。
バスに乗って10分ほどで奥之院バス停に到着。
バスを降りて驚いた。
聖域のはずがなんとも俗っぽい雰囲気ではないか。
レストラン土産物屋、巨大な駐車場、そしてものすごい数の観光客。
いや、自分も正真正銘の観光客なので、ひとごとではないのだがそれにしても。
そうなのか、みんなここにいたのか。平日でもこの人数ならば、休日連休はすごいのだろう。
しかもボクが乗った電車やケーブルカーはがらすきだったので、観光バスやマイカーで来ている人が多いのだろう。
そうだったのか。
ちょうど昼過ぎなので、せっかくなのでここで食事をしよう。名物胡麻豆腐は食べよう、目の前に見える食堂に入り席につく。
と、少し離れた席からひとりのおばちゃんがこっちを見つめて歩いてくる。
えっ?オレか?
どう見てもこちらに向かってまっすぐに歩いてくる。
「xxさんか?」どボクの名前を呼ぶ。
えっ?ああー、「Sさんですか?」
なんと、こんなところで(しかも平日の昼間)元会社の同僚の女性と数年ぶりで再開。
彼女はすでに会社は退職しているのだが、驚いた。
これも弘法大師様のお導きか。
こんなこともあるんだね。
しばし昔話をしたあと「お元気で、お先です」と別れを告げて、奥之院である。
この先は歩いて行くのだが、参道の両脇はずーっとお墓が続くのだ。
企業の従業員?を祀った墓があったり、豊臣秀吉の墓があったりと樹齢数百年の松もあるし、さすが高野山である。
15分程度で高野山最奥部である奥之院御廟へ。ここらは建物外でも写真撮影禁止である。それだけ神聖な地である、ということなのだろう。
団体に巻き込まれないよう注意しながら、ざっと見てまわる。
確かに厳かな感じはあるが、壇上伽藍の方が見ていて面白い。
またお墓をゆっくり見ながらバス停まで戻る。
ちょうど雨が降りだした。
Pages
Tuesday, September 11, 2012
一乗寺探訪(続き)
恵文社書店から東に向かって進む。
叡山電鉄の踏切を越えて、ほどなくすると白川通へ突き当たる。
さらに東へ、そこから上り坂となる。
暑い中、大汗をかきながら上って行くと、右手に詩仙堂入口が見えてくる。
詩仙堂を訪れるのは二度目である。前回は36年前!高校の修学旅行で京都・奈良へきたときに立ち寄った。
都立高校3年生の春、当時は(東京からの)修学旅行といえば「京都・奈良」が定番中の定番であった。まさか、その後20数年も京都に住むことになるとは思いもしなかったが。
旅行は4人以上のグループ行動、行き先は自由(ただし事前に予定を提出して承認を受ける)だった。ボクたちのグループ(4名)はまじめかつボク以外は、かなり大人びたメンツだたので正しい京都・奈良の計画を立案。神社仏閣や歴史にはほとんど興味がなかったので、計画はほとんどお任せだったのだが、その中でも実際に行ってみて印象に残ったのが詩仙堂だった。
小雨が降っていて、縁側から静かに庭を眺めると、美しいなあと当時も思った。それは作文にもそのことを書いたので、覚えているのだ。
そんな経緯もあって、行ってみようと思ったのだ。
季節は初秋とはいえ、気温は夏と変わらない。
縁側に座ってみたが、西日が暑くて、とてもいられるものだはない。日陰になる場所まで、さがってみる。
時折風がそよいでくると、確かに涼しい。たぶん当時と変わらない景色を眺めているだろう。
蝉の声と、時折響く鹿威しの乾いた音がなんとも気持ちいい。
前回は行った覚えがないのだが、庭に降りることができる。意外と広い庭は綺麗に手入れされていて、庭越しに見る建物もなかなかの味わいである。どこ見ても絵になる。
さて、30分ほど滞在して、つぎの場所へ。
詩仙堂から歩いて30分、曼珠院へ向かう。ここは初めて訪れる場所である。
曼殊院の入り口そばに、武田薬品の薬用植物園というのがある。あとで調べたら、一般の見学も受け入れているようだ。なかなか面白そうではないか。
曼殊院は正確には「曼殊院門跡」という、詩仙堂と比べるとかなり大きな敷地である。
詩仙堂の時も思ったが、カンカン照りの日よりも、雨がしとしと降っていたり雪が積もっている方が、こういう場所は絵になるように思う。暑いと汗拭いたり、お茶をぐびぐび飲むのに気を取られて風景に集中できない(ような気がする)
広いので、ざーっと歩いて見ているとそれだけで過ぎてしまい、じっくり眺める感じではなくて飽きてしまった。見所も見過ごしているのではないかとは思うのだが。
帰り道はすこし違うルートで、叡山電鉄一乗寺駅まで戻り、京阪・阪急を乗継ぎ帰った。
ちょうど駐車場の車に乗り込んだと同時に、大粒の雨が落ちてきて京都は夕立に包まれた。
叡山電鉄の踏切を越えて、ほどなくすると白川通へ突き当たる。
さらに東へ、そこから上り坂となる。
暑い中、大汗をかきながら上って行くと、右手に詩仙堂入口が見えてくる。
詩仙堂を訪れるのは二度目である。前回は36年前!高校の修学旅行で京都・奈良へきたときに立ち寄った。
都立高校3年生の春、当時は(東京からの)修学旅行といえば「京都・奈良」が定番中の定番であった。まさか、その後20数年も京都に住むことになるとは思いもしなかったが。
旅行は4人以上のグループ行動、行き先は自由(ただし事前に予定を提出して承認を受ける)だった。ボクたちのグループ(4名)はまじめかつボク以外は、かなり大人びたメンツだたので正しい京都・奈良の計画を立案。神社仏閣や歴史にはほとんど興味がなかったので、計画はほとんどお任せだったのだが、その中でも実際に行ってみて印象に残ったのが詩仙堂だった。
小雨が降っていて、縁側から静かに庭を眺めると、美しいなあと当時も思った。それは作文にもそのことを書いたので、覚えているのだ。
そんな経緯もあって、行ってみようと思ったのだ。
季節は初秋とはいえ、気温は夏と変わらない。
縁側に座ってみたが、西日が暑くて、とてもいられるものだはない。日陰になる場所まで、さがってみる。
時折風がそよいでくると、確かに涼しい。たぶん当時と変わらない景色を眺めているだろう。
蝉の声と、時折響く鹿威しの乾いた音がなんとも気持ちいい。
前回は行った覚えがないのだが、庭に降りることができる。意外と広い庭は綺麗に手入れされていて、庭越しに見る建物もなかなかの味わいである。どこ見ても絵になる。
さて、30分ほど滞在して、つぎの場所へ。
詩仙堂から歩いて30分、曼珠院へ向かう。ここは初めて訪れる場所である。
曼殊院の入り口そばに、武田薬品の薬用植物園というのがある。あとで調べたら、一般の見学も受け入れているようだ。なかなか面白そうではないか。
曼殊院は正確には「曼殊院門跡」という、詩仙堂と比べるとかなり大きな敷地である。
詩仙堂の時も思ったが、カンカン照りの日よりも、雨がしとしと降っていたり雪が積もっている方が、こういう場所は絵になるように思う。暑いと汗拭いたり、お茶をぐびぐび飲むのに気を取られて風景に集中できない(ような気がする)
広いので、ざーっと歩いて見ているとそれだけで過ぎてしまい、じっくり眺める感じではなくて飽きてしまった。見所も見過ごしているのではないかとは思うのだが。
帰り道はすこし違うルートで、叡山電鉄一乗寺駅まで戻り、京阪・阪急を乗継ぎ帰った。
ちょうど駐車場の車に乗り込んだと同時に、大粒の雨が落ちてきて京都は夕立に包まれた。
Sunday, September 09, 2012
一乗寺探訪
京阪七条駅から出町柳、そこで叡山電鉄に乗り換えて一乗寺で下車。
西に向かって数分歩くと、恵文社がある。
キュレーションの時代にふさわしい、とても洗練された書店である。
テーマごとに実にうまく本がならべられている。
書店員の方がセレクトしているのだろうが、ちょっとひねりの効いたチョイス。
というか、ボクが知らない本が沢山あるので、何時間いても飽きない。
今回はドアを入ったところに、なぜか大滝詠一のナイアガラレコード関係の本が特集されて並んでいる。
これは嬉しい。
ここがユニークなのは、本だけではなく、奥へ入って行くと、雑貨小物や洋服も置いてあるし、また別の部屋へ行くと、食器なども置かれている。
今日は日曜日なので、特にお客さんも多かったかもしれないが、店内は7割方女性客であふれていた。
女性同士が多いようだ。
これまでなんとなく遠い印象があったのだが、よく考えたら駅からも近いし、全然行きにくいわけではない。
また、来ることにしよう。
続く
西に向かって数分歩くと、恵文社がある。
キュレーションの時代にふさわしい、とても洗練された書店である。
テーマごとに実にうまく本がならべられている。
書店員の方がセレクトしているのだろうが、ちょっとひねりの効いたチョイス。
というか、ボクが知らない本が沢山あるので、何時間いても飽きない。
今回はドアを入ったところに、なぜか大滝詠一のナイアガラレコード関係の本が特集されて並んでいる。
これは嬉しい。
ここがユニークなのは、本だけではなく、奥へ入って行くと、雑貨小物や洋服も置いてあるし、また別の部屋へ行くと、食器なども置かれている。
今日は日曜日なので、特にお客さんも多かったかもしれないが、店内は7割方女性客であふれていた。
女性同士が多いようだ。
これまでなんとなく遠い印象があったのだが、よく考えたら駅からも近いし、全然行きにくいわけではない。
また、来ることにしよう。
続く
Friday, September 07, 2012
大台ケ原に散る(前の続き)
出足好調に出発したのであるが、30分近く歩くと、いきなり急な上り坂が続く。
息は乱れ、汗が吹き出す。
大台ケ原は標高1500m程なので、曇り空ということもあって、外気温はかなり涼しい。
出発するときはとても気持ちよかった。下界の猛暑よサヨウナラだった。
しかし、歩いて30分、すでにシャツは汗でぐっちょり、いつまで続く上り坂。
永遠に続くかと思われた(たぶんホントは5分ぐらい)が、ようやく展望台に到着。
シニアチームも休憩中である。
あまり息も乱れていない。
こっちはゼイハー状態。
シニアのおばさんから写真を頼まれ、こちらも平然を装い笑顔で「ハイチーズ」なんて言ったけど、ホントは一刻も早く休憩したい。
シニアチームはここで早くも弁当タイムである。
卵焼きやらウィンナーやら
めちゃ羨ましいではないか。
こっちは京都駅のファミマで買ったアンパンである。
いくらなんでも昼飯は早いだろと思うので、先に行く。
しばらくは下りが続く。雨もポツポツ降ってきた。
実は今日のために、前日京都駅イオンモールでレインコートを買ったのだ。
よし、出番だぞ、と広げてみたら「撥水加工してあります」のタグを切り忘れていた。
うげっ格好悪い。しかし、これを止めてるナイロンの紐って手で切れないのよね。
しまった、ナイフも忘れた。登山にはナイフとか必須だよね。
仕方なくそのまま着る。
ここの下りは、木製の階段上の板が敷いてあるので、歩きやすいのだ。
1時間歩いて15分休憩のパターンで行こうと、最初からなんとなく決めていたので、1時間後に休憩。
アンパンかじる、お茶は自宅から持参である。
さらに登ったり下ったりを繰り返すのだが、これが結構しんどい。
道も岩だらけで歩きにくい場所も結構多くて、体に異変が発生。
心配していた膝の痛みである。
右膝の裏側が少し痛み出した。
それをかばって歩くと、今度は左足にも負担が増えて、両足とも痛み出す。
少し休憩すると、痛みはやわらぐのだが、くだりだすとすぐに再発。
できるだけ最小限の段差になるように道を選んで、つかまれるものには最大限つかまって、足への負担軽減をはかる。
そうこうすると、このコース最大の見せ場「大蛇ぐら」(注:ぐらという漢字が変換できない)
断崖絶壁である。
しかし、ガスがでていて、下を覗いても真っ白け。
でも、しばらく眺めていると、結構ガスは動くので、時々岩肌が見えたりするのだ。
いいなあ大自然。ずっと見ていても見飽きない。
しばらく断崖に座ってぼーっとしていると、高校生・じいちゃんチームがやってきた。
気さくに声をかけあう
「いやーガスがかかって残念ですなあ」
チームはわりと早々に出発
「お先に」
「お気をつけて」
さらに10分ほどすると、にぎやかな声が聞こえてきた。
シニアチーム到着。
また写真を頼まれたのだが、シニアチームが話しているのを聞くと
みんな剣岳や槍ヶ岳などの経験者であることがわかった。
失礼しました!
ちょっと若いというだけで上から目線でした。
すんません。
シニアチーム賑やかに出発。
結局全員に追い越されて、こちらも出発。
さらに岩ゴロゴロの下りが続く。
膝いて~
逆に上り坂になると、息はえらいが膝は楽。
うれしいぞ上り坂。
どんどん降りていくと川のせせらぎの音が大きくなってくる。
膝が痛くなければ、うれしくてちょっと川に出て、顔でもブルンと洗っちゃいたいのだが。
そんな余裕はない。
一刻も早く先へ行きたい。
吊り橋を渡ると、ここから延々と上り坂である。
さっき、バンザイ上り坂と言ったことはきれいに忘れて、坂に悪態をつく。
しかし、ここで思い直す。
どんなきつい上り坂でも、1歩また1歩進めればいつかは終わる。
途中で一度振り返ってみよう。
どれだけ自分の足で登ってきたかがわかるのだ。
そしてまた、前を向いて着実に1歩を踏み出そう。
なんて、いいから早く上り坂終われー。
しんどーい、どこがハイキングだ。
登山でしょう。
これが続くと、もう思考すら停止。
ロボットのように足を前へ出すのみ。
しかし、本当にいつかは終わるのだ。
木々の間から駐車場が見えてきた!
ヤッホー
終わった〜
でも膝いて〜
帰還、14:30だった。全行程9kmを約3.5時間
バスは15:30に出発。
帰りは同乗者が1名、ということは前日からきている人なのか?
この人もシニアな方である。
さてこれから奈良市内のホテルにいかなければならないのだが、途中の駅の階段を降りるときに愕然とした。
めちゃ膝が痛いのなんの、泣きそうである。
意外とエスカレータもエレベータも設置されていない場所って多いのだ。
足が痛くないときは全然気にならなかったけど。
手すりに全面的に体重を預けて、ロボットのように膝をできるだけ曲げないで降りる。
なんとかホテル到着。というか、下り階段さえなければ、普通に歩けるのだ。
とりあえず寝て、明日のことはそのとき考えよう。
だいぶ痛みはやわらいだような気がする。
高野山へ行くために、とりあえずなんば駅へ向かう。
そして駅の階段で、そろりと降りる練習をしてみると
いててて
こりゃダメだわ。高野山の寺院にエスカレータついてないし。
まちがいなく階段だらけだし。
ここで苦渋の判断。
旅はあえなく中断。
待ってろよ高野山!
I'll come back soooon!
息は乱れ、汗が吹き出す。
大台ケ原は標高1500m程なので、曇り空ということもあって、外気温はかなり涼しい。
出発するときはとても気持ちよかった。下界の猛暑よサヨウナラだった。
しかし、歩いて30分、すでにシャツは汗でぐっちょり、いつまで続く上り坂。
永遠に続くかと思われた(たぶんホントは5分ぐらい)が、ようやく展望台に到着。
シニアチームも休憩中である。
あまり息も乱れていない。
こっちはゼイハー状態。
シニアのおばさんから写真を頼まれ、こちらも平然を装い笑顔で「ハイチーズ」なんて言ったけど、ホントは一刻も早く休憩したい。
シニアチームはここで早くも弁当タイムである。
卵焼きやらウィンナーやら
めちゃ羨ましいではないか。
こっちは京都駅のファミマで買ったアンパンである。
いくらなんでも昼飯は早いだろと思うので、先に行く。
しばらくは下りが続く。雨もポツポツ降ってきた。
実は今日のために、前日京都駅イオンモールでレインコートを買ったのだ。
よし、出番だぞ、と広げてみたら「撥水加工してあります」のタグを切り忘れていた。
うげっ格好悪い。しかし、これを止めてるナイロンの紐って手で切れないのよね。
しまった、ナイフも忘れた。登山にはナイフとか必須だよね。
仕方なくそのまま着る。
ここの下りは、木製の階段上の板が敷いてあるので、歩きやすいのだ。
1時間歩いて15分休憩のパターンで行こうと、最初からなんとなく決めていたので、1時間後に休憩。
アンパンかじる、お茶は自宅から持参である。
さらに登ったり下ったりを繰り返すのだが、これが結構しんどい。
道も岩だらけで歩きにくい場所も結構多くて、体に異変が発生。
心配していた膝の痛みである。
右膝の裏側が少し痛み出した。
それをかばって歩くと、今度は左足にも負担が増えて、両足とも痛み出す。
少し休憩すると、痛みはやわらぐのだが、くだりだすとすぐに再発。
できるだけ最小限の段差になるように道を選んで、つかまれるものには最大限つかまって、足への負担軽減をはかる。
そうこうすると、このコース最大の見せ場「大蛇ぐら」(注:ぐらという漢字が変換できない)
断崖絶壁である。
しかし、ガスがでていて、下を覗いても真っ白け。
でも、しばらく眺めていると、結構ガスは動くので、時々岩肌が見えたりするのだ。
いいなあ大自然。ずっと見ていても見飽きない。
しばらく断崖に座ってぼーっとしていると、高校生・じいちゃんチームがやってきた。
気さくに声をかけあう
「いやーガスがかかって残念ですなあ」
チームはわりと早々に出発
「お先に」
「お気をつけて」
さらに10分ほどすると、にぎやかな声が聞こえてきた。
シニアチーム到着。
また写真を頼まれたのだが、シニアチームが話しているのを聞くと
みんな剣岳や槍ヶ岳などの経験者であることがわかった。
失礼しました!
ちょっと若いというだけで上から目線でした。
すんません。
シニアチーム賑やかに出発。
結局全員に追い越されて、こちらも出発。
さらに岩ゴロゴロの下りが続く。
膝いて~
逆に上り坂になると、息はえらいが膝は楽。
うれしいぞ上り坂。
どんどん降りていくと川のせせらぎの音が大きくなってくる。
膝が痛くなければ、うれしくてちょっと川に出て、顔でもブルンと洗っちゃいたいのだが。
そんな余裕はない。
一刻も早く先へ行きたい。
吊り橋を渡ると、ここから延々と上り坂である。
さっき、バンザイ上り坂と言ったことはきれいに忘れて、坂に悪態をつく。
しかし、ここで思い直す。
どんなきつい上り坂でも、1歩また1歩進めればいつかは終わる。
途中で一度振り返ってみよう。
どれだけ自分の足で登ってきたかがわかるのだ。
そしてまた、前を向いて着実に1歩を踏み出そう。
なんて、いいから早く上り坂終われー。
しんどーい、どこがハイキングだ。
登山でしょう。
これが続くと、もう思考すら停止。
ロボットのように足を前へ出すのみ。
しかし、本当にいつかは終わるのだ。
木々の間から駐車場が見えてきた!
ヤッホー
終わった〜
でも膝いて〜
帰還、14:30だった。全行程9kmを約3.5時間
バスは15:30に出発。
帰りは同乗者が1名、ということは前日からきている人なのか?
この人もシニアな方である。
さてこれから奈良市内のホテルにいかなければならないのだが、途中の駅の階段を降りるときに愕然とした。
めちゃ膝が痛いのなんの、泣きそうである。
意外とエスカレータもエレベータも設置されていない場所って多いのだ。
足が痛くないときは全然気にならなかったけど。
手すりに全面的に体重を預けて、ロボットのように膝をできるだけ曲げないで降りる。
なんとかホテル到着。というか、下り階段さえなければ、普通に歩けるのだ。
とりあえず寝て、明日のことはそのとき考えよう。
だいぶ痛みはやわらいだような気がする。
高野山へ行くために、とりあえずなんば駅へ向かう。
そして駅の階段で、そろりと降りる練習をしてみると
いててて
こりゃダメだわ。高野山の寺院にエスカレータついてないし。
まちがいなく階段だらけだし。
ここで苦渋の判断。
旅はあえなく中断。
待ってろよ高野山!
I'll come back soooon!
一人で自然満喫
9/5
〜9/11まで休みをとってる。
会社の制度でとれた休みなのだが、最近は長い(と言ってもせいぜい1週間だが)休みをもてあまし気味である。
もったいない話である。
と同時に、これまでいかに家族と共に休みを行動していたかということでもある。
二人の娘も大学生、上の娘は来年就職である。
このぐらいになるとそれぞれ忙しいので、家族と行動することが激減する。
さて、そうなると長い休みも一人で行動するケースが増えるのだ。
こんな状態で、リタイヤしたらホントやばい。
何十年働いて退職した途端、することなくて老けこみ、そして...
今回、特に危機感が増した。
そこで、今まで「面倒」「あまり興味がない」などど敬遠してきたことも経験してみるとあらたな道が見えるかも、という訳で選んだのが
吉野大台ケ原と高野山ひとりツアー
独身時代は結構山歩きが好きで、ちょこちょこ行っていたのだが、なんだか面倒になって敬遠していた。膝を痛めたというのも遠ざかっていた理由である。
最近はシニアの山歩きが、割りとブームである。
山ガールも流行っていると聞く。
ちょっとやってみる?と軽い気持ちでそれほど大変ではない場所を選ぼう。
東大台はハイキングコースと書いてる。(西大台が大台ケ原のメインだが初心者向きではない)
復帰するのには最適ではないか。実を言うと以前から大台ケ原は行きたい場所でもあったし。
京都からだと6:41初の近鉄電車に乗って、奈良県の大和上市駅着が8:49。そこから大台ケ原行きのバスに乗って約2時間。家からだと片道5時間!それでようやく山歩き出発なのである。
ね?聞くだけで面倒でしょう。
まあそれでも日帰りで行く事が可能なのである。
それだけ日帰りで行くのももったいないので(すぐ効率を考えてしまう)それに何かをセットできないか、で浮上したのが高野山である。
日程は9/6(木)大台ケ原、その日は奈良市内で1泊して翌9/7に高野山。
天気は心配だが、気楽な一人旅だし、予定は簡単に変更できる。
平日の朝の近鉄電車は、とにかく中高生が多い。
初めて見る制服ばかりで新鮮である。乗り換えの橿原神宮前はものすごい数の高校生。
しかし、目的地の駅に近づくと、どんどん乗客は減り最後は数人だけ。
しかも大台ケ原行きのバスは貸しきりである。
そりゃそうか、そんな行かないよね。行くとしても普通は車だよね。
こっちは一人旅なので、電車いいじゃん。
バス楽しいじゃん。
そして大台ケ原の広大な駐車場到着。
がっら〜ん。
ひいふうみい、車が5、6台。
働いてる人の車もあるよね。
そりゃそうだよね、平日だしもう9月だしそんな来ないよね、登山になんて。
まあ、空いてるほうがいいよ、こっちは一人旅だし。
ざっと見てみると、登る準備をしているのが
シニアの男女が4名、高校生ぐらいの若者とおじいさん?の二人組
それとボク
まずシニアチームが先発。なんだかすごく楽しそう、和気あいあいな雰囲気である。
10分後にボク出発。
道はかなり整備されていて、道案内もわかりやすいし、大台ケ原の説明の看板もところどころに立ててある。
周りを見ながら、久々に大自然っていいなあ、と深呼吸しながら足も軽く出発したのである。
続く
Saturday, September 01, 2012
劇団・ヨーロッパ企画
6月頃に、会社の同僚と飲んでいたときに映画の話になった。
ボクが好きな映画として、「日本映画なら、『サマータイムマシンブルース』と『曲がれスプーン』」
と話したのだが、この2本の映画は京都にあるヨーロッパ企画という劇団の演劇がオリジナルなのだ。
こんな面白い映画の原作だったら、その元になった演劇も面白く無いわけはなかろう。
一度その劇団を経験してみませんか?
と、誘ってみると、U先輩の賛同を得ることになったのだ。
ヨーロッパ企画の公演を探してみると、
京都木屋町の元立誠小学校で8月に公演があるではないか。
しかも料金が2500円とリーズナブルであった。
当日
会場時間に会場入口前に行ってみると、人がポツリポツリ集まりだしている。
整理番号順に会場内にはいり、席は自由席である。
元小学校の、教室だった場所にステージが設けられている。
客席はステージの真ん前から、ひな壇のように段差が設けられていて、後ろの席でも舞台が見やすいよう工夫されている。
観客の8割方は若い女性である。
我々オヤジ二人は、おそらく最年長であろう。
客席はほぼ満席(チケットは完売だそう)
本日の公演は「ウィークエンドシャッフル」
出演者7名で約90分の公演である。
意外と長いんだな、それだけ舞台は持たせられるのだろうか?
やや不安を抱えつつ幕が開く。いや、実際は幕などなくて、暗転して始まる。
いや、これが面白い。
最初の不安は全くの杞憂であった。
いろいろなネタを仕込んだ会話で笑わせる、キャラの面白さで楽しませる
意外な展開で驚かす。
決して広いとは言えない舞台(セットもシンプル)だが、脚本と演出で工夫してこれだけの空間を造りだせることに驚かされる。
あっという間の90分、もと見たいぐらいだ。いや、それぐらいがちょうどいいのかもしれない。
U先輩も、かなり満足された様子で
「次もあったら見に行こう」
と頼もしい言葉をいただきました!
ボクが好きな映画として、「日本映画なら、『サマータイムマシンブルース』と『曲がれスプーン』」
と話したのだが、この2本の映画は京都にあるヨーロッパ企画という劇団の演劇がオリジナルなのだ。
こんな面白い映画の原作だったら、その元になった演劇も面白く無いわけはなかろう。
一度その劇団を経験してみませんか?
と、誘ってみると、U先輩の賛同を得ることになったのだ。
ヨーロッパ企画の公演を探してみると、
京都木屋町の元立誠小学校で8月に公演があるではないか。
しかも料金が2500円とリーズナブルであった。
当日
会場時間に会場入口前に行ってみると、人がポツリポツリ集まりだしている。
整理番号順に会場内にはいり、席は自由席である。
元小学校の、教室だった場所にステージが設けられている。
客席はステージの真ん前から、ひな壇のように段差が設けられていて、後ろの席でも舞台が見やすいよう工夫されている。
観客の8割方は若い女性である。
我々オヤジ二人は、おそらく最年長であろう。
客席はほぼ満席(チケットは完売だそう)
本日の公演は「ウィークエンドシャッフル」
出演者7名で約90分の公演である。
意外と長いんだな、それだけ舞台は持たせられるのだろうか?
やや不安を抱えつつ幕が開く。いや、実際は幕などなくて、暗転して始まる。
いや、これが面白い。
最初の不安は全くの杞憂であった。
いろいろなネタを仕込んだ会話で笑わせる、キャラの面白さで楽しませる
意外な展開で驚かす。
決して広いとは言えない舞台(セットもシンプル)だが、脚本と演出で工夫してこれだけの空間を造りだせることに驚かされる。
あっという間の90分、もと見たいぐらいだ。いや、それぐらいがちょうどいいのかもしれない。
U先輩も、かなり満足された様子で
「次もあったら見に行こう」
と頼もしい言葉をいただきました!
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