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Sunday, September 16, 2007

『 巨匠と出会う名画展 』

10月8日まで兵庫県立美術館で開催のこの美術展はなかなかいい絵がそろっていて、楽しめるのだが、ひとりあたり1~2点しか展示されていないのでもうひとつ物足りない印象もある。
まず部屋にはいるとモネの「睡蓮」が目に入る。すこし離れてみると、さすがに素晴らしくて水面が見事に目の前に現れてくる。
その他によかったのは、マティスの「肘掛け椅子の裸婦」。マティス独特の縁取りと、背景の静物の色がかわいくてポップ。そのまま雑誌のページを飾れそう。
シャガールの大きさ、赤・青・黄の色使いにも圧倒される。フェルナン・レジェの山吹色・黒で描かれた道具がなんとも現代的。ウォーホールのマリリンモンローなどなど。

でも、今回の展示よりも、常設の小磯良平、金山平三が実にいいのだ。
小磯の人物、金山の風景。
小磯「少女と猫」塗り残しのある、いい意味でおおざっぱな感じが絵の面白さを伝える。
金山「海岸通り」は小さい作品ながら、バスの停留所を中央に据えて、広い青空とぽっかり浮かんだ雲の構図が臨場感たっぷり。
今回もうひとつ開催されていた山村幸則『手ヂカラ 目ヂカラ 心のチカラ』
アイマスクを付けて(要するに目が見えない状態)作品を手探りで「鑑賞」するのだが、これがなかなか面白いのだ。この写真は僕がミロのアイマスクをかけているところ。
作品まで係員が誘導してくれて、そこからは手探りしながら進んでいく。
ビニールと布の手触りの作品は、高くなったり低くなったりうねうねと大きく曲線を描いているらしいことはわかるのだが、何しろ全体がわからないのがとても不安。
ところどころにブロンズの作品が手に触れる。これも手探りで、どんな形状をしているのかつかもうとするのだけど、さっぱりわからない。
最後にアイマスクをはずして作品の全貌を見せてくれる。
はは~ん、こんなになっていたのか。ブロンズ像はこれかってわかる仕組み。
なにより面白いのは、僕のあとから入ってきた人がまだアイマスクをつけてヨタヨタ歩いている姿。
さっきまで自分もあんな姿だったのだなと想像すると笑える。

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