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Friday, September 07, 2012

大台ケ原に散る(前の続き)

出足好調に出発したのであるが、30分近く歩くと、いきなり急な上り坂が続く。
息は乱れ、汗が吹き出す。
大台ケ原は標高1500m程なので、曇り空ということもあって、外気温はかなり涼しい。
出発するときはとても気持ちよかった。下界の猛暑よサヨウナラだった。
しかし、歩いて30分、すでにシャツは汗でぐっちょり、いつまで続く上り坂。
永遠に続くかと思われた(たぶんホントは5分ぐらい)が、ようやく展望台に到着。
シニアチームも休憩中である。
あまり息も乱れていない。
こっちはゼイハー状態。
シニアのおばさんから写真を頼まれ、こちらも平然を装い笑顔で「ハイチーズ」なんて言ったけど、ホントは一刻も早く休憩したい。
シニアチームはここで早くも弁当タイムである。
卵焼きやらウィンナーやら
めちゃ羨ましいではないか。
こっちは京都駅のファミマで買ったアンパンである。
いくらなんでも昼飯は早いだろと思うので、先に行く。

しばらくは下りが続く。雨もポツポツ降ってきた。
実は今日のために、前日京都駅イオンモールでレインコートを買ったのだ。
よし、出番だぞ、と広げてみたら「撥水加工してあります」のタグを切り忘れていた。
うげっ格好悪い。しかし、これを止めてるナイロンの紐って手で切れないのよね。
しまった、ナイフも忘れた。登山にはナイフとか必須だよね。
仕方なくそのまま着る。
ここの下りは、木製の階段上の板が敷いてあるので、歩きやすいのだ。

1時間歩いて15分休憩のパターンで行こうと、最初からなんとなく決めていたので、1時間後に休憩。
アンパンかじる、お茶は自宅から持参である。
さらに登ったり下ったりを繰り返すのだが、これが結構しんどい。
道も岩だらけで歩きにくい場所も結構多くて、体に異変が発生。
心配していた膝の痛みである。
右膝の裏側が少し痛み出した。
それをかばって歩くと、今度は左足にも負担が増えて、両足とも痛み出す。
少し休憩すると、痛みはやわらぐのだが、くだりだすとすぐに再発。
できるだけ最小限の段差になるように道を選んで、つかまれるものには最大限つかまって、足への負担軽減をはかる。

そうこうすると、このコース最大の見せ場「大蛇ぐら」(注:ぐらという漢字が変換できない)
断崖絶壁である。
しかし、ガスがでていて、下を覗いても真っ白け。
でも、しばらく眺めていると、結構ガスは動くので、時々岩肌が見えたりするのだ。
いいなあ大自然。ずっと見ていても見飽きない。
しばらく断崖に座ってぼーっとしていると、高校生・じいちゃんチームがやってきた。
気さくに声をかけあう
「いやーガスがかかって残念ですなあ」
チームはわりと早々に出発
「お先に」
「お気をつけて」

さらに10分ほどすると、にぎやかな声が聞こえてきた。
シニアチーム到着。
また写真を頼まれたのだが、シニアチームが話しているのを聞くと
みんな剣岳や槍ヶ岳などの経験者であることがわかった。
失礼しました!
ちょっと若いというだけで上から目線でした。
すんません。

シニアチーム賑やかに出発。
結局全員に追い越されて、こちらも出発。
さらに岩ゴロゴロの下りが続く。
膝いて~
逆に上り坂になると、息はえらいが膝は楽。
うれしいぞ上り坂。
どんどん降りていくと川のせせらぎの音が大きくなってくる。
膝が痛くなければ、うれしくてちょっと川に出て、顔でもブルンと洗っちゃいたいのだが。
そんな余裕はない。
一刻も早く先へ行きたい。
吊り橋を渡ると、ここから延々と上り坂である。
さっき、バンザイ上り坂と言ったことはきれいに忘れて、坂に悪態をつく。
しかし、ここで思い直す。
どんなきつい上り坂でも、1歩また1歩進めればいつかは終わる。
途中で一度振り返ってみよう。
どれだけ自分の足で登ってきたかがわかるのだ。
そしてまた、前を向いて着実に1歩を踏み出そう。

なんて、いいから早く上り坂終われー。
しんどーい、どこがハイキングだ。
登山でしょう。
これが続くと、もう思考すら停止。
ロボットのように足を前へ出すのみ。

しかし、本当にいつかは終わるのだ。
木々の間から駐車場が見えてきた!
ヤッホー
終わった〜
でも膝いて〜
帰還、14:30だった。全行程9kmを約3.5時間

バスは15:30に出発。
帰りは同乗者が1名、ということは前日からきている人なのか?
この人もシニアな方である。
さてこれから奈良市内のホテルにいかなければならないのだが、途中の駅の階段を降りるときに愕然とした。
めちゃ膝が痛いのなんの、泣きそうである。
意外とエスカレータもエレベータも設置されていない場所って多いのだ。
足が痛くないときは全然気にならなかったけど。
手すりに全面的に体重を預けて、ロボットのように膝をできるだけ曲げないで降りる。
なんとかホテル到着。というか、下り階段さえなければ、普通に歩けるのだ。
とりあえず寝て、明日のことはそのとき考えよう。

だいぶ痛みはやわらいだような気がする。
高野山へ行くために、とりあえずなんば駅へ向かう。
そして駅の階段で、そろりと降りる練習をしてみると
いててて
こりゃダメだわ。高野山の寺院にエスカレータついてないし。
まちがいなく階段だらけだし。
ここで苦渋の判断。
旅はあえなく中断。
待ってろよ高野山!

I'll come back soooon!

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